soratohito
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SUSUはカンボジアの言葉で「がんばって」プロダクトに
その想いを込めて。

作り手とともに成熟してきたSALASUSUブランド

いぐさを大きな釜で染色する女性たち

素足に履くとひんやりと気持ちのよさそうな、いぐさのサンダル、手織りのやわらかコットンスカーフ、いぐさとコットンの個性的なトートバック。これらはすべて、カンボジア発ブランドSALASUSUの手仕事によるもの。世界遺産アンコールワットで有名なカンボジアの都市、シェムリアップから35キロ離れたクチャ村にあるSALASUSUの工房で、村の女性たちによる手仕事によって作られています。

工房では、約70人の女性がライフスキルを向上させるプロジェクトのもと、働きながら学んでいます。現地で作り手の女性たちと製品作りに取り組んできたセールスマネージャーをしていた横山優里さん(30歳)と、SALASUSUのデザイナーの菅原裕恵さん(30歳)に聞きました。

工房がある村

デザイナーのブランドへのあふれる想い

SALASUSUの個性的なデザインを生み出している菅原さんは、国内の靴メーカーで6年間デザイナーをした後、SALASUSUのデザイナーになりました。国内では味わえなかった、もの作りの喜びがSALASUSUにはあるといいます。女性たちの手仕事のスキル向上や自立が達成される喜びは大きいし、現地のいぐさを活かしたプロダクト作りには、もの作りが持つ本来の自由さを感じるそうです。

SALASUSUのデザイナーの菅原裕恵さん

作り手と買い手を笑顔にしたい

セールスマネージャーの横山さんは日本の素材メーカーで働いた後、現地でセールスマネージャーとなりました。約4年間、工房とお店で作り手側と買いもの客側を見てきて、その両方が笑顔であふれるようなプロセスを作りたいと考えるようになったそうです。

SALASUSUのセールスマネージャーの横山優里ささん

数年前までは、ツーリスト向けにカラフルな生活雑貨やランチョンマットや、小物を作って売っていましたが、ちょうどデザイナーの菅原さんが入社したタイミングで、自分たちのような日本の女性が欲しいと思えるようなものを作りたいと、SALASUSUブランドを立ち上げました。

susuブランド
カンボジア・シェムリアップにあるショップ

作り手女性たちのライフスキルアップも

SALASUSUのもの作りは、農村で生まれた女性たちの自立を支援するNGO団体「かものはしプロジェクト」が運営する工房で行われています。

器用にいぐさの太さや色で選別する女性

工房で商品を手作業で作り出すまでの行程は、いぐさを細いもの、太いもの、黒いもの、白いものを仕分けするところからはじまり、いぐさの染色、乾かし、縫製と全行程に2週間かかります。70人の工房の女性たちが手分けしてそれを行っています。

作り手のみなさんが揃うと圧巻

家庭や経済的に困難な背景を持つ18歳から24歳までの女性たちが手仕事を担っています。2年間のトレーニングを積み、将来への自立を目指して卒業していきます。

学習のクラスの様子

SALASUSUの工房の日常

工房での一日のスケジュールも教えてもらいました。実際に手を動かす手仕事の時間のほかに、給食の後には学びのための時間が用意されています。SALASUSUのライフスキルを向上させるためのトレーニングカリキュラムは、カンボジアの政府も着目しているほど成熟しているといいます。

栄養豊富な給食
真剣に学習に取り組む様子

学びの時間には、計算や読み書きなどの基礎学力はもちろん、コミュニケーションの方法、卒業してから自分で人生を切り開いていく自信と問題解決力を身につけさせるためのカリキュラムがあります。都市でがんばれるためのコミュニケーションやセルフマネージメントをライフスキルとして身につけてもらっています。

作り手を社会に価値を提供する「プロデューサー」に!

ていねいに革をプレス

横山さんと菅原さんは、女性たちの成長に本気で向き合ってきました。「彼女たちの工房での日々を通じて、一人一人の内面が豊かになってくのを感じられるのが幸せです」と菅原さんが言うように、作り手としてのプライドを感じる場面が増えてきているそうです。それは二人にとってなによりもかけがえのない瞬間です。

カラフルなサンダル

SALASUSUの店舗でプロダクトを買っていく人の笑顔を動画で女性たちに見せてから、女性たちの瞳は輝き、誇りを持つようになったそうです。横山さんは、さらに「女性たちの意識を、単なるライフスキルアッププロジェクトの受益者から、社会に価値を提供するプロデューサーに変えたい」といいます。

おしゃれな買い手に自然に手にとってもらえるように

いぐさを織る女性たち

SALASUSUブランドを立ち上げから2年──。買い手を笑顔にさせるプロダクトを作りたい。作り手を笑顔にしたい。二人の目標はさらに高まっています。

「試作品の試行錯誤で悩んでいるとき、たくましく育った女性たちから逆にSALASUSU(カンボジア語でがんばっての意)と励まされたときには感動しました」という菅原さん。さらなるプロダクト作りに熱意を燃やしています。

サンダルの道具
インタビューを終えてにっこりと笑う二人

二人はSALASUSUをいわゆるチャリティ製品では終わらせず、日本の30代女性に自然に手にとってもらえる製品にしていくでしょう。

文:河内典子 写真:白石 和弘(インタビューカット)と現地の写真はSALASUSUからの提供によるもの

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